『ブルーシート』飴屋法水[2013年初演]
二〇一四年の第58回岸田國士戯曲賞受賞作である『ブルーシート』は、飴屋法水氏が福島県立いわき総合高校総合学科第10期生アトリエ公演のため書き下ろした戯曲である。私は、フェスティバル/トーキョー15(会場は豊島区旧第十中学校・東京)で観劇した。いわき総合高校グラウンドでの二〇一三年の初演から、二年。冒頭に初演時の冒頭の映像が提示され、映像の中から話しかける校長が癌のためにすでに他界されているという事実も、劇中わかる。卒業後を自ら語るシーンもあり、あの日からの時間の流れを強烈に感じさせる。「震災後」の「今」を描き続けることの辛さも。
次に出会ったのは、二〇一七年の第50回東北地区高等学校演劇発表会、岩手県立大船渡高校演劇部が潤色したバージョン。岸田戯曲賞の選評(岡田利規氏)同様、他者が、しかも舞台で上演することに不安を持ちながら観始めたのだが、杞憂。どんな演出でも伝わるこの戯曲の強度とことばの強さを、まざまざと見せつけられた。
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